SPACE FACTORY 1997
シリーズ1『額田女王(ぬかたのおおきみ)』
第一章「澄んだ光の中で ヌ カ タ ━祀りの女」
■会場
新高円寺ツインビル2F「SK画廊」
■公演
1997年4月5日(土)/6日(日)15:00開演
■STAFF
江上 弘 [インスタレーション]
花柳 ゆかし [舞踊]
永田 砂知子 [パーカッション]
藤原 道山 [笙・横笛など]
■概要
熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな
額田女王は7世紀、天智・天武の時代の宮廷にあって、神の声を聞き、神の意志を伝えるという特殊な役目を担った女性だった。 この歌も、朝鮮半島への出兵の船出に際し、女帝斉明天皇に代わり全軍に向け戦勝を祈願し、船旅の無事を祈って詠われたものである。
“をんな”である前にひたすら神に仕える者で在ろうと努めた彼女の歌には、女性らしい艶やかさの中にもおのずと、比類のないスケールの大きさ、自然界との強い交感力が感じられる。激動する時代の流れを大きな視野でとらえ、それに逆らうことなく、しかものびやかに生きた額田女王の姿は、21世紀へのハードルを越えあぐねている私たちに、何か生きることへのヒントを与えてくれるのではないだろうか。